京都市立芸術大学大学院美術研究科
デザイン学特論 ゲスト講義シリーズ
プールリバー

網守将平《Notation / Communication / Exformation》2019/6/18(火)

講師:

網守将平

タイトル:

Notation / Communication / Exformation

日時:

2019/6/18(火) 13:00-14:30

場所:

中央棟3階 L11講義室

略歴:

音楽家/作曲家。
東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。同大学院音楽研究科修士課程修了。2013年日本音楽コンクール作曲部門1位等受賞多数。
学生時代よりクラシックや現代音楽の作曲家/アレンジャーとして活動を開始し、室内楽からオーケストラまで多くの作品を発表。 近年はポップミュージック〜サウンドアートまで領域横断的な活動を展開。様々な表現形態での作品発表やパフォーマンスを行う傍ら、CMやテレビ番組の音楽制作や、スタジオ/ライブミュージシャンとして多くのアーティストのプロジェクトに携わっている。主な音楽作品に、『パタミュージック』(フルアルバム、noble、2018)、『Attack on Listening』(オーケストラ作品、NHK-FM、2018)、主な映像作品に、『ムジカ・ピッコリーノ』(音楽制作、NHK Eテレ、2017〜)、主な展示作品に、『Broken Silencer』(サウンドインスタレーション、「MOTサテライト 2017秋」、東京、2017)など。

https://www.shoheiamimori.com/

以下、ネット上で読める網守将平さんに関するリンク集です。
履修する学生は目を通しておいて下さい。


まず僕の関心は、「いかに新しい音を聴くことができるか?」というところにあるんです。そして、それに対して自分の立場からアプローチしようとしたときに、人間には「耳がある」ってことに一度立ち返る必要性があるなと。ピュアに、音の情報を聴覚が認識する話をしたところで、その耳は何年か社会を生きてきた耳だし、社会的なコンテキストも背負っているわけじゃないですか。
(・・・)
「そこに音楽がある」っていう状態をどうにかして提示したいと考えていて。たとえば、音が出る「場」から考えたり、音が出る「もの」から考えたりするサウンドアートもそうですけど、それとはまた違った方法で「音楽がある、そしてそれを聴いている耳がある」っていう状態を知覚させたい、多くの人に音や音楽を知覚させたいというか。僕がやっているのは、それを「音楽」で目指す実践ですね。
(・・・)
ある曲が流れて、でもその曲がなかったかのように振る舞われたりする

網守将平と音楽問答。我々は「音楽そのもの」を聴いているのか?|CINRA

音楽はいま音楽である以前に「演奏と映像のなんらか」的な見立てであることが求められてる。音楽をそこから自律させてそれ自体について考えるためには、いわゆる「シーンづくり」とは違う、もっともっとわけのわからない公共性や関わりをつくることが必要だなと。そしてそれはミュージシャン側の役目でもある。

長谷川新と網守将平が「不純物と免疫」で探る展覧会の理想型 |美術手帖ウェブサイト/インタビュー欄

これは聴き方についてなんですけど、何らかの曲の何らかのフレーズがあったとして、そのフレーズを〈音響〉として聴くか〈音韻〉として聴くかを、精密にではないにしろ、ある程度コントロールできるようになる というか。アカデミックな作曲の勉強をすると、モチーフみたいなものに敏感になって、フレーズからパターンを抽出したくなる。要はストラクチャーを聴き取りたくなるんですが、電子音響はテクスチュアルな要素が強いのでそう簡単にはいかない。そういうテクスチャーとストラクチャーの差異を知覚しようとする、ある種の葛藤としての聴取方法

もう一度、電子音を難解なものと考えよう―アカデミックな新鋭、網守将平が突き詰めた斬新すぎるポップ・ミュージック論 | Mikiki

「街を車で走り抜ける、というよりは、街を捉えたインスタグラムのタイムラインが複数 同時に無秩序に混ぜこぜになって表示されることで街を体験する、という現象に近い。 アンビエント・ノイズが断続的に、そして耳に馴染みやすいメロディが勃発的に、音楽 に登場し全体の一部としてまとめられる。どこを取っても、時間の流れは混乱してい る。古いテレビドラマにメロドラマチックな雰囲気を足すために使われていそうなオル ガンのコード群が一定して展開されている背後で、ジェットコースターのようにリズム は忙しなく緩急しているのだ。トラックの最後の1分間は何らかの完了を示すものでは ない。むしろ増えて飽和状態になった音のインプットが、色鮮やかな無数のドローンと なって飛び去っていき、その後にレコードの針が奏でるようなパチパチパチという音が 残される。 」(エミリー・ビック、訳:近藤司)

英The WIRE誌・ISSUE 149・January 2019

この作品はアルバムという形態を取りつつトータリティを志向していないんですが、そんな作品でも突発的にデジャブ感みたいなものが感じられるとすれば、「トータリティを志向しない」というある種のレギュレーションみたいなものに、無意識に自ら反発して、テクスチュアルなレベルにおいて統一感をもたらしにいった

【INTERVIEW】『SONASILE』/ 網守将平(PROGRESSIVE FOrM) | indiegrab


企画構成:砂山太一